音楽感想文保存庫

見たライブや聴いたアルバムの感想 そして歌わせていただいたライブのことなど

ナイルの一滴


ライブ感想文を書いておきたかった素晴らしいライブもいくつかあったのですが
久々の更新はアルバム紹介。
最近、歌もののアルバムではこればっかり聴いてます。


矢野絢子さんを初めて聴いたのも、大阪の春一番コンサートだった。
夕暮れ時、古典柄の振袖をふわりと羽織り、ピアノの前に座り、おもむろに歌いだした。
記憶の傷口をえぐるような歌詞と、どこか投げやりで、でも何かを信じて追い求めているみたいな歌声にやられた。
個人的には、小谷美紗子を初めて聴いた時以来のインパクトがあった。



前置きが長くなってしまいましたが
『ナイルの一滴』は、2004年10月リリース。
シングル「てろてろ」でデビューした彼女の、これが1stフルレンスアルバム。


1曲目の「てろてろ」で、まず、思いっきりやられます。
失恋した時に聴くのは覚悟がいります。
「てろてろ」が終わってほっとしたところで、「夕闇」で追い討ちをかけられます。
心に荒塩をごしごしとすり込まれたところで、いろんな暗喩を含んだ「ゼンマイ仕掛け」に唸らされます。
続けて、“そこまで言うか?!”な「嘘つきの最期」がびしびしと突き刺さってきます。
さらに、歌詞の内容とタイトルのギャップがあまりにもあまりな「わかれ」に、もはや立ち直り不能なレベルで打ちのめされます。
そして、「ニーナ」・・・もう説明不要です。目の前に浮かんでくる物語の世界を存分に堪能して、思いっきり泣きましょう。


後半、個人的にはあまりのめりこめない曲もあったりしますが(だけど「坊や」は好きです)、でも、今聴いてもやはり名盤だと思う。
演奏も素晴らしいですし(楽曲の半数近くにヴァイオリンの金子飛鳥さんが参加!!)矢野絢子自身のピアノもパワフルでカッコ良いのですが、やはりその歌声と詩が何よりも強烈。
まだ聴いたことの無い方には、とにかくまず一度聴いてみて欲しいアルバムです。

2008年6月21日(土) 札幌 jazz spot JERICHO
奥野義典 CD『赤い月』発売記念ライブ
 出演:奥野義典(sax・Leader)石田幹雄(p)瀬尾高志(b)竹村一哲(ds)


諸事情により2部しか聴けず(泣)
でも、それでもやっぱり聴きに行って良かった!!と思えたライブだった。
アルバム発売直後のツアーでの演奏も勿論良かったのだけれど
北海道内ツアーから帰ってきての昨日の演奏は
音の厚み・迫力・鋭さ、全てが前回以上に増していた気がした。
バンドの強力な一体感と、音の自由自在さとの共存。
アルバム発売記念ライブ、と言いつつ、目の前で生まれているその曲は、アルバムに収録されている音をはるかに越えて新しい世界になっていたことは、このバンドなら当たり前のこと、なのだろうけれど、でもやっぱり嬉しかったし感動した。
ジャズ演歌(笑)「北前船」は、あまりの音の迫力に、ハードロックにも聴こえた。カッコ良かった!!
後半2曲、アンコール2曲の計6曲、たっぷり堪能させていただきました。


2008年6月12日(木) 札幌 OYOYO
金井英人with漢達の低弦
 出演:金井英人(b)瀬尾高志(b) 秋田祐二(b)北垣響(b)柳真也(b)竹内聖(b)豊田健(b)


全員での演奏、トリオ、DUO、そして会場全体を巻き込んでの即興舞台。
長いライブだったけど、個々が「演奏」をしていた時間は、もしかしたら短かったのかも。
でもあの場で生まれていたものの全てが、金井さんの音楽なのだろう。
低弦メンバーの意外な表情や音に、驚かされたり笑ったり聴き入ったり。
「聴けて良かった」「見られて良かった」というより、「あの場所で一緒に体験できて良かった・共有できて良かった」というのが率直な感想。
楽しかった。


そして

アンコール、
金井さんのソロでの「りんご追分」には、本当に鳥肌が立った。
素晴らしかったです。
出会えたことが嬉しい。
このライブに関わった方・このライブを実現させてくださった全ての方に感謝します。



2008年6月11日(水) 札幌 jazz spot JERICHO
金井英人(b)トリオ
 出演:金井英人、奥野義典(sax,flute) 、舘山健二(ds)
金井英人さんの5年ぶりの札幌ライブ。3DAYSの2日目。


5年前のライブの記憶と重ね合わせながら、じっくりと聴く・・・つもりでした。でもそんなの不可能な世界でした(笑)。
いや、勿論、音楽も素晴らしかった。
一音一音の凄み、鋭さ、緊張感、そして自由な広がりと深さ。圧倒された。
奥野さん、館山さんも、いつも以上に気合が入ってた気がする。心地よい狂気が次々と繰り出されていた。
けれど、音を奏でるだけのパフォーマンスではなく、空間全体が金井ワールドで。
「A列車で行こう」のアナウンス&寸劇(?)&照明点滅(バイトのユウタくん、Good Job!飛び入り演奏も良かった!!)にも爆笑したけれど、なんたって館山さんボーカルの「アメイジング・グレイス」に悶絶(爆)。
楽しかった!!
いいライブでした。
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小谷美紗子さんの『うた き』
1999年リリース。ブックレットによるとレコーディングは1998年。
げ、もう10年前になるのか;

でも久し振りに聴いても全く色褪せていない。
メロディも音もその独特の歌声も。
そして何より、その詞のコトバのインパクト。
難しい言葉なんて何も無い。奇をてらうことを一切せず、日常のコトバを紡いでいるだけ。
なのに、ここにあるのは、他の誰にも無い世界。
いや、他の誰もが「そこまで言ったらミもフタも無いだろう」と避けて逃げてゆくような世界、か。
これまでに何百回聴いたか分からない「火の川」は、久し振りに聴いてもやっぱりぐさぐさと突き刺さってきた。

今となっては、1stからの小谷さんの世界は、ここがひとつめの頂点だったのかも、とも思う。
勿論、今の音楽も嫌いではないのだけれど。
サウンド的には、最近のトリオ編成のアルバムのほうが、この時代よりも鋭さが増していて、心地よく感じられたりもする。
でもその一方で、歌詞に占める日本語の割合が減っている印象が否めない最近のアルバムより、個人的にはこの時代の小谷さんの“うた”が好きです。

Shinobu

  • Author:Shinobu
  • 音楽を聴いたり歌ったり聴いたり歌ったり・・・の日々を過ごしています。

    ライブ感想文はあくまで自分自身が見て・聴いて良かったと思ったライブの「感想文」であって、ライブ評ではありませんのでご了承ください。

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